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同じ12万円が、街によって何㎡になるか

在宅で働くなら、部屋探しで見る軸が変わります。掲載中の物件を㎡単価で並べ直すと、同じ予算で1.8倍の広さになる境目がどこにあるかが見えます。

公開 2026年8月22日 · 更新 2026年9月4日

街の紹介記事はたいてい「住みやすさ」で並んでいます。買い物が便利、治安がいい、駅が近い。毎朝どこかへ通う人にとっては、それで正しい。

一日の大半を部屋の中で過ごす人は、軸が変わります。 通勤しないなら駅からの距離の価値は下がり、代わりに 部屋がもう1つあるかどうか の価値が上がる。この差は、街を選ぶ段階でほとんど決まってしまいます。

予算あたりの広さで並べ直す

掲載中の物件を、賃料と管理費の合計を専有面積で割った額(㎡単価)で並べるとこうなります。上ほど、同じお金で広い。

㎡単価
都心のブランド地 7,300〜8,600円 銀座 8,605/赤坂 8,531/広尾 8,050/品川 7,734/代官山 7,374
山手線の内と外の境目 4,800〜6,400円 恵比寿 6,343/麻布十番 5,809/目黒 5,298/本郷 5,033/自由が丘 4,983/笹塚 4,854
環七・環八のあたり 3,000〜4,700円 市ヶ谷 4,497/西台 4,156/千川 4,029/武蔵小金井 3,790/府中 3,351/目白台 3,030
そこから外 1,100〜2,900円 経堂 2,922/王子 2,212/足立 2,066/喜多見 2,037/相模原 1,512/大阪 1,136

この表の使い方は一つだけです。縦に読むのではなく、自分の予算で横に読む。

たとえば実際の掲載から2件。代官山で総額13万円だと17.63㎡西台で総額13.2万円だと31.76㎡。ほぼ同じ金額で、面積は1.8倍になります。

17.63㎡でも仕事はできます。実際その部屋は掲載していて、事務所利用も通る良い部屋です。ただし 17.63㎡の部屋で働くというのは、寝る場所と働く場所が同じ一室だという意味 です。1ヶ月なら何ともなく、1年経つと効いてきます。その判断を、街を決める前にしておくかどうかの話です。

ブランド地名は思ったほど当てにならない

もう一つ、実際に並べてみて分かったことがあります。麻布十番の2件は、代官山の1件より㎡単価が安い(4,850円と5,809円に対して7,374円)。

理由は単純で、地名ではなく建物のほうが効いているからです。同じ地名でも、小さくて古い建物と、新しくて大きな建物では単価が変わります。「有名な街だから高い」「地味な街だから安い」は、1件ずつ見ると簡単にひっくり返ります。

これは物件を撮りに行く下見で実地に学んだことでもあります。名前の通った建物でも、部屋そのものは普通ということはよくある。有名建物と当たり部屋は別の話です。

事務所利用可の部屋は、エリアでは探せない

在宅で働く人が一番知りたい条件、つまり 客を招いてよいか・法人登記が通るか は、街の性質とほぼ無関係に散らばります。

いま掲載している中で事務所利用可の部屋は17件。所在地は中央区・千代田区・港区・渋谷区・品川区・目黒区・世田谷区・中野区・北区・板橋区・葛飾区・三鷹市・府中市とばらけていて、都心にも周縁にも同じように出ています。うち法人登記まで通るのは1件だけです。

この条件は地図でも駅名でも絞れません。 貸主と管理会社が個別に決めていることで、募集図面の条件欄にしか書いていない。だから探し方も変わります。エリアで候補を絞ってから条件を確認するのではなく、条件で絞ってから、残った部屋がどこにあるかを見るほうが早い。

街を決める前に決めておくこと

在宅で働くなら、順番はこうなります。

  1. もう1部屋要るのか、一室で足りるのか。 ここが予算と街を同時に決めます
  2. 机を置ける壁があるか。 写真ではなく間取り図で、窓と収納を除いた壁の長さを数えてください
  3. 採光が何面か。 一日中家にいる人にとって二面採光は実際に効き、朝から晩まで外にいる人にはほとんど関係がありません

この3つの見方は「SOHO賃貸」は何を指しているのかで詳しく書きました。

数字は掲載時点のもので、募集条件は動きます。個別の判断はご相談ください。

予算を決めてから広さを見たい場合は、下の部屋から見てください。 どれも㎡単価の帯が違うので、同じお金が街によってどう変わるかがそのまま出ています。

この記事は一般的な実務の説明で、法律・税務の助言ではありません。条件は物件・貸主・保証会社によって変わります。個別の判断は必ずご相談ください。

この記事に出てきた部屋